不動産登記ベースレジストリの利活用検討

更新情報

2025/01/28

実証の進捗について更新しました。自治体業務でより使いやすい地図にするために、現在、自治体担当者の方々に実際に触っていただきながら意見聴取しています。

2024/12/26

「令和6年度不動産登記ベースレジストリの利活用検討」の前段として、令和5年度に不動産単位又は筆界単位のデータを行政活用する際の技術的課題等について検討しました。概要を追加しましたので、是非ご覧ください。

2024/11/22

「老朽化マンションの把握」の実証において、登記データと他のデータを結合する上での課題を、アイデア募集ページに掲載中です。様々なアイデアをお待ちしております。

コメント募集中

実験的取組に対するソリューションやコメントがあれば、下記フォームからご応募ください。

概要

 

背景

不動産登記簿に記載された情報(以下「登記情報」)は、今後整備を検討するベースレジストリに指定され、正規化されたデータを関係行政機関に提供するためのシステムの構築が進んでいます。

これにより、土地の所有関係や建物に関する情報が筆界単位で分析できる社会が見えてきています。そこで、地方公共団体による登記情報データの政策課題への活用を後押しするため、実証実験を実施しています。今年度は、広島県府中市と千葉県浦安市にご協力いただき、両市のデータを用い、所有者不明土地及び老朽化マンションをテーマに実証(実施事業者:かなめ測量 不動産調査技術研究所)を行っています。

(参考)令和5年度事業

令和5年度に、「令和6年度不動産登記ベースレジストリの利活用検討」の前段として、不動産単位又は筆界単位のデータを行政活用する際の技術的課題等について、東京都渋谷区及び香川県高松市で分析し活用可能性を検討しました。

取組概要

2024年度政策課題①:所有者不明土地の早期発見・予測・優先的に対応すべき物件の特定(広島県府中市)

登記データと関連データを筆界単位で地図上に可視化することにより、所有者不明土地となり得る土地を早期に発見。さらに、ハザードエリア内にある所有者不明土地等、政策的見地から優先的に措置すべき物件を特定。

 

所有者不明土地になり得る要素と使用予定のデータ(例)
要素 データ
所有者の登記がない 登記データ(法務局)
水道利用がない 水道利用(契約)状況データ
住民の高齢化 将来推計人口データ
(国土数値情報)
地域のハザード情報 土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域、浸水想定区域(国土数値情報)

2024年度政策課題②:老朽化マンションの把握・優先的に対応すべき物件の特定(千葉県浦安市)

登記データと関連データを筆界単位で地図上に可視化することにより、老朽化マンションを把握。さらに、建替可能性や修繕の有無等の関連データを連携し、優先的に対応すべき物件を特定。

 

「老朽化」を判断する上で必要な要素と使用予定のデータ(例)
要素 データ
築年数 登記データ(法務局)
住民の高齢化 将来推計人口データ(国土数値情報)
修繕の実施有無 修繕積立金の有無(浦安市分譲集合住宅実態調査データ)
建替えの可能性 敷地面積、建築面積(建ぺい率)、延べ床面積(容積率)、敷地利用権
市外所有者の確認 登記データ(法務局)
代表窓口の有無 管理組合の有無(浦安市分譲集合住宅実態調査データ)
地域のハザード情報 洪水浸水想定区域(国土数値情報)、液状化危険区域(浦安市震度分布図・液状化危険度分布図)

 

現在の進捗

2つの政策課題について、データを重ねた地図を作成しました。

政策課題①:所有者不明土地の早期発見(広島県府中市)

【イメージ図】

登記受付日の年代に応じて所有者不明リスクを表示。

赤:所有者不明土地であるリスクが高い(~1949年):
1950年に土地台帳が廃止され現在の登記制度と近い制度になった。

黄:比較的高(1950~1964年):
権利取得時に20歳と仮定しても、81~95歳。40歳であった場合には101~115歳。

緑:普通(1965~1984年):
権利取得時に20歳と仮定しても61~80歳、40歳と仮定して81~100歳。(この当時までは相続を受けるのは40代が多かったと考えられることから)

青:低(1985年~):

20~40歳で権利を得る、登記に関与したと仮定しても60~80歳。

茶:国有林

灰:登記受付日が抽出できなかった筆と、区画データと登記CSVとの結合エラーが起きている部分

※公共座標系の登記所備付地図データが存在する山間部エリア(北部)では政策課題や事業等が出にくいため、地図が未整備の市街地エリアの地図を作成中。
地図の作成方法の概要はこちら
現状での府中市全体のカバーエリア
【イメージ図】

所有者不明土地リスク評価後、浸水想定区域データ(青色)や土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域データ(茶色)等と重ねて表示
※所有者不明土地リスク低(青)は非表示


政策課題②:老朽化マンションの把握(千葉県浦安市)

【例:イメージ図】

建ぺい率40%より余裕のあるマンションを表示(黄色ポイントデータ)

浦安市コメント(一部抜粋)
  • 環境整備が整っていない方のマンション(例では建ぺい率40%より余裕のない方)を検索できるようにしたい。
  • 建物ごとのポイントデータのほか、団地(管理組合)ごとのポイントデータも欲しい。
  • 建て替え検討のために用途地域を表示させたい。

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